遊休マーケット コラム
AIアセットリカバリー特集

アセットリカバリーとは?欧米の職種と日本企業の「担当者不在」

公開日: 2026-08-27 監修: PAX TOPOLOGY株式会社 事業開発部 想定読了時間: 約7分

「アセットリカバリー」という言葉を、日本ではまだあまり聞かないかもしれません。しかし欧米では、企業の遊休資産を発見し、売却や再利用を通じて価値を取り戻す役割として、実際に求人が出るほど確立した職種です。本記事では、この言葉の意味と、日本企業にこの機能が根付いていない理由を整理します。

アセットリカバリーとは

アセットリカバリー(Asset Recovery)とは、使われなくなった、あるいは使われる見込みが低い資産(設備・機材・IT機器・什器など)を発見し、売却・再利用・リサイクルといった形でその価値を回収する活動を指します。企業の文脈では特に、IT機器の資産処分(ITAD:IT Asset Disposition)の領域でよく使われる概念です[1]

用語についての注意
「Asset Recovery」という言葉は、汚職や犯罪で得た資産を国際的に取り戻す仕組み(資産回収)を指す場合にも使われます[2]。本記事で扱うのは、企業経営における遊休資産の再活用という、まったく別の文脈での用法です。

欧米企業における位置づけ

米国の求人サイトでは、「Asset Recovery Manager」という職種名で、企業や自治体からの求人が実際に掲載されています[3]。IBMもIT資産の再活用・処分に関する解説記事の中で、この領域を専門的なプロセスとして紹介しています[1]。特にIT資産処分、金融・エネルギーなど資産集約型の業界で、独立した職務として確立している傾向がうかがえます。

ただし、これはすべての業種・すべての企業に一律に存在する役職というわけではなく、資産量が多い一部の業界を中心に確立している職種と捉えるのが実態に近いと考えられます。

日本企業にこの機能がない理由

私たちは、日本企業でこの機能が根付いていない理由は、技術的な難しさよりも組織構造にあると考えています。遊休資産の発見・再活用に関わる業務は、総務・調達・経理・施設管理といった複数の部門に分散しており、明確に「誰かの目標」になっていないケースが多く見られます。その結果、ある拠点で使われずに眠っている什器と同じものを、別の拠点が新品で購入してしまうといった状況が起こりやすくなります。

「担当者不在」を前提に、資産の可視化から

遊休マーケットは、専任担当者を置かなくても資産の発見・可視化を進められる仕組みです。

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まとめ

アセットリカバリーは、欧米では特にIT資産処分や資産集約型の業界を中心に確立してきた機能です。日本企業にこの機能が根付いていないのは、業務が複数部門に分散し、誰の目標にもなっていないという組織構造上の理由が大きいと考えられます。

本記事は2026年8月時点の公開情報に基づく一般的な解説です。「日本企業にこの機能がない理由」の分析は当社の見解であり、学術的に検証された結論ではありません。

参考情報源

  1. [1] IBM「What is IT Asset Recovery?」
  2. [2] Wikipedia「Asset recovery」(国際的な資産回収に関する用法)
  3. [3] 米国求人サイト(ZipRecruiter等)における「Asset Recovery Manager」の求人掲載状況
PAX TOPOLOGY株式会社 事業開発部
遊休マーケット(uq-market)運営元。企業の遊休資産循環を支援するB2Bサーキュラーエコノミープラットフォームを提供。

特集:AIアセットリカバリー(全5回)

  1. アセットリカバリーとは(この記事)
  2. なぜ日本企業に資産管理担当者がいないのか
  3. 「採用」ではなく「AIに任せる」という選択肢
  4. 「社内充足率」という新しい指標
  5. AI資産循環担当という考え方