遊休マーケット コラム
Scope3・脱炭素経営

【2025年3月公表】環境省「1次データ算定ガイド」でScope3算定はどう変わるか

公開日: 2026-08-26 監修: PAX TOPOLOGY株式会社 事業開発部 想定読了時間: 約7分

Scope3排出量の算定では、業界平均値を使った簡易な算定が広く行われてきました。しかしそれでは、自社やサプライヤーの削減努力が数値に反映されにくいという課題があります。環境省が2025年3月に公表した「1次データを活用したサプライチェーン排出量算定ガイド」は、この課題に向き合うためのガイドです。

ガイド公表の背景

環境省は2025年3月、「1次データを活用したサプライチェーン排出量算定ガイド」(Ver1.0)を公表しました[1]。副題は「削減努力が反映されるScope3排出量算定へ」となっており、従来主流だった業界平均値(2次データ)による算定では、サプライヤーが環境配慮原料の調達などの努力をしても、その効果が自社のScope3の数値に反映されにくいという課題への対応が狙いとされています。

1次データと2次データの違い

区分内容
1次データ企業のバリューチェーン内の固有の活動から得られるデータ。サプライヤー等から直接提供される実測ベースの排出量データ
2次データ環境省のデータベース等が提供する業界平均値。個社の固有の取り組みは反映されにくい

2次データによる算定は簡便である一方、「どれだけ努力しても数値が変わらない」状態を生みやすいという弱点がありました。1次データの活用は、この弱点を補うアプローチです。

ガイドが示す2つの活用アプローチ

製品ベース排出量データ
製品単位の排出量データを収集し、調達量×排出原単位で算定するアプローチ。
組織ベース排出量データ
サプライヤーのScope1・2・3全体の排出量データを収集し、取引金額等で配分して算定するアプローチ。

企業への影響

1次データの活用が広がると、サプライヤーの個別の削減努力(再生資源の利用や省エネ設備の導入など)がより正確に自社のScope3の数値に反映されるようになると期待されています。これにより、算定のためだけでなく、サプライヤーとの対話・エンゲージメントを深めるきっかけとしても位置づけられています。

遊休資産管理との関係

遊休資産の再利用・循環に関するデータ(何を、どれだけ、どのように再利用したか)は、将来的に自社のScope3算定における1次データの一部として活用できる可能性があります。ただし、現時点でどのような形式・粒度のデータが求められるかはガイドの詳細や自社の算定方針によって異なるため、断定はできません。まずは自社の資産の状況を記録・データ化しておくことが、将来の精緻な算定への備えになると考えられます。

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遊休マーケットは、社内資産の状況をデータとして蓄積し、削減効果の見える化を支援します。

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まとめ

環境省の「1次データ算定ガイド」は、業界平均値では反映されにくかった企業の削減努力を、より正確にScope3の算定結果へ反映させることを目指したものです。自社のScope3算定を精緻化していく上で、まずは自社が保有する資産や排出に関わるデータを整理しておくことが土台になります。

本記事は2026年8月時点の公開情報に基づく一般的な解説です。算定方法の詳細は環境省が公表する原本のガイドをご確認ください。

参考情報源

  1. [1] 1次データを活用したサプライチェーン排出量算定ガイド Ver1.0(2025年3月・環境省)
  2. 環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム 各種ガイドライン一覧
PAX TOPOLOGY株式会社 事業開発部
遊休マーケット(uq-market)運営元。企業の遊休資産循環を支援するB2Bサーキュラーエコノミープラットフォームを提供。