Scope1・2・3の違い
温室効果ガス(GHG)排出量は、国際的な算定・報告の枠組みであるGHGプロトコルに基づき、次の3つに区分されます[1]。
- Scope1-自社が直接排出する温室効果ガス(燃料の燃焼など)
- Scope2-他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出
- Scope3-Scope1・2を除く、事業活動に関連する他社(サプライチェーン)の間接排出
Scope3は自社の直接的な活動ではないため算定の難易度が高い一方、多くの企業にとって排出量全体の大部分を占めるとされ、脱炭素経営における重要な対応領域と位置づけられています[1]。
Scope3を構成する15のカテゴリ
環境省・経済産業省が公表する「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」では、Scope3を上流8カテゴリ・下流7カテゴリの計15カテゴリに分類しています[1]。
| No. | カテゴリ名 | 区分 |
|---|---|---|
| 1 | 購入した製品・サービス | 上流 |
| 2 | 資本財 | 上流 |
| 3 | Scope1・2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 上流 |
| 4 | 輸送、配送(上流) | 上流 |
| 5 | 事業から出る廃棄物 | 上流 |
| 6 | 出張 | 上流 |
| 7 | 雇用者の通勤 | 上流 |
| 8 | リース資産(上流) | 上流 |
| 9 | 輸送、配送(下流) | 下流 |
| 10 | 販売した製品の加工 | 下流 |
| 11 | 販売した製品の使用 | 下流 |
| 12 | 販売した製品の廃棄 | 下流 |
| 13 | リース資産(下流) | 下流 |
| 14 | フランチャイズ | 下流 |
| 15 | 投資 | 下流 |
遊休資産と関わりの深いカテゴリ
実務での着眼点
企業内・企業間の遊休資産再利用は、特にカテゴリ1(購入した製品・サービス)とカテゴリ5(事業から出る廃棄物)に直接影響します。新規購買を減らせばカテゴリ1の排出量が、廃棄量を減らせばカテゴリ5の排出量が、それぞれ抑制される可能性があります。不動産を賃貸・運用する企業ではカテゴリ13(リース資産・下流)も関連する場合があります。
Scope3は15カテゴリすべてを一度に精緻化する必要はなく、自社の事業構造上、排出量が大きいカテゴリや、削減余地の大きいカテゴリから優先的に着手するのが現実的なアプローチです。
資産の再利用で、Scope3削減の一歩を
遊休マーケットは、社内外の資産循環を通じてカテゴリ1・5の排出抑制を支援します。
まとめ
Scope3はサプライチェーン全体にわたる15のカテゴリで構成される間接排出量です。全カテゴリを一律に扱うのではなく、自社の事業実態に照らして優先順位をつけ、算定と削減に取り組むことが実務上の現実的な進め方です。