サーキュラーエコノミー(循環経済)とは
サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、資源を「採掘・生産・消費・廃棄」という一方通行(線形経済/リニアエコノミー)で使い切るのではなく、製品や資源をできるだけ長く社会の中で循環させ続けることを目指す経済のあり方を指します。環境省の白書でも、大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済活動からの転換を図る考え方として位置づけられています[1]。
経済産業省もサーキュラーエコノミーを重要な政策テーマとして位置づけ、専用の特設サイトや事業者向けガイドラインの整備を進めています[2]。
3R(リデュース・リユース・リサイクル)との違い
「3R」は、廃棄物をいかに減らすかという発想が中心にある取り組みです。これに対してサーキュラーエコノミーは、製品の設計段階から資源循環を組み込み、そもそも廃棄物を生まない、あるいは価値を保ったまま資源を使い続けるという、より上流からの発想である点が異なります。
近年ではこの考え方を実際のビジネスとして展開する動きを指して「CEコマース(サーキュラーエコノミー・コマース)」と呼ぶことがあります。CEコマースは、3Rのうち特に「リデュース」と「リユース」を事業として成立させる取り組みとされ、具体的には次の3つの方法に整理されています[3]。
- 物品の稼働率を高める-シェアリング、レンタルなど
- 物品の利用期間を延ばす-中古品売買、フリマアプリなど
- 物品の寿命を延ばす-修理、メンテナンス、リメイクなど
国内での認知度と政策動向
電通が2026年1月に実施した調査(Sustainable Brands Japanの報道による)では、サーキュラーエコノミーの認知率は18.6%となり、前回調査(2024年10月時点)の8.5%から大きく上昇したと報じられています。「内容まで知っている」層も5.9%に増えており、認知から行動変容のフェーズに入りつつあると分析されています[3]。
制度面でも動きが加速しています。経済産業省と環境省は2023年9月、産官学連携プラットフォーム「サーキュラーパートナーズ」を立ち上げ、企業・自治体・大学等が参加してガイドラインの整備や事例共有を進めています[4]。2025年5月には「CEコマースビジネス推進のためのガイド」が公表され、33の企業事例が紹介されました[3]。また、2025年2月には資源有効利用促進法の改正が閣議決定され、2026年4月に施行される予定です[5]。この改正の詳細については別記事で解説します。
企業がサーキュラーエコノミーに取り組むべき3つの理由
1. 法規制・情報開示対応の必要性
資源有効利用促進法の改正のように、資源循環に関する制度整備が進んでいます。経営企画部門にとっては、これらの制度動向を早めに把握し、自社への影響を確認しておくことが求められます。
2. コスト構造の変化
資材調達コストや廃棄コストが高止まりする中、社内に眠る遊休資産(使われていない設備・備品・資材)を再活用することは、新規調達や廃棄処分にかかる費用を抑える手段になり得ます。
3. 新規事業機会としての側面
循環型のビジネスモデルは、新規事業のテーマとしても注目されています。国内法人が保有する遊休資産(残置間接資材)の市場規模は、当社の試算で約1.2兆円にのぼるとみています(自社試算・参考値)。
自社の遊休資産、把握できていますか?
遊休マーケットは、社内に眠る資産をAIで発掘し、コスト削減とCO2削減を可視化するプラットフォームです。
まとめ
サーキュラーエコノミーは、3Rの延長線上にありながらも「そもそも廃棄物を生まない」という、より上流からの発想を持つ考え方です。国内では認知度の向上とともに、制度整備も進んでいます。次回は、2026年4月に施行される改正資源有効利用促進法について詳しく解説します。